コラム14:弁護士 伊吹 勝美

家庭内での地震対策

―各自治体で行っている家具転倒防止器具助成事業の活用を―

2011.6 弁護士 伊吹 勝美

 地震時の死傷原因の多くは、建物の倒壊や家具類の倒壊によるものだと言われている。
 1995年に発生した阪神淡路大震災では、多くの方が家具等の下敷きになって死傷されたと報道された。今般の東日本大震災での詳細は、未だ明らかになっていないが、家具等の倒壊によりケガをされた方も少なくないはずである。
 今般の東日本大震災と一連の余震により、我が家では、棚から物が落下したり、家具やテレビ等が大きく動くことはあったものの、幸いにして、大きな被害を受けることはなかった。しかし、これまで地震に対する備えを全くといっていいほどしてこなかったので、遅ればせながら今回の大震災を機に、居宅内にある家具等の転倒防止対策を行うことにした。
 早速、自宅近くのホームセンターにテレビや家具等の転倒を防止する器具を買いに行ったが、ほとんどの商品が既に品切れになっており、次回入荷も未定とのことであった。
 余震が頻繁に起きている状況だったので、家族とも相談し、たくさんの店舗等を探し歩いて、なんとか地震対策用として販売されている「家具が動かないようにするストッパー」と「テレビの下に貼るシール」を1つずつ購入することができた。ただ、すべての家具などに対策を施したわけではなかったので、器具が手に入り次第、取り付けようと思っていた。
 そのような状況の中、多摩地区所在の市役所に行く機会があった。必要書類に対する申請書を記載していると、記帳台の近くに「家具転倒防止器具助成事業」と題したカラーのパンフレットが置いてある。手に取ってみると「家具転倒防止器具を無償で支給します」という文言が記載されており、地震の揺れに備えて家具やテレビを固定する「突っ張り棒」や「ストッパー」、パソコンの下などに敷く「ゴムシート」などが対象器具として記載されている。
 恥ずかしながら私は、地方自治体がこのような事業を行っているのをこれまで全く知らなかった。
 家具転倒防止器具助成事業の概要について調べてみると東京都内の各区や市町村では、各自治体によって助成事業の詳細は異なるものの、何らかの助成事業を行っているらしいことがわかった。そして、私が居住する自治体でも平成21年度から助成事業を行っており、申請すれば一定の転倒防止用器具が支給されることが判明した。そこで、早速、役所に行って申請書をもらい、倒壊防止用の器具の申請を行った。
 自治体によっては、先着申込順であったり、抽選で配布する世帯を決定しているところもあるようである。お住まいの各自治体に問い合わせていただき、家庭内での地震対策の一助として、この助成事業を活用してはいかがだろうか。

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