コラム51:弁護士 伊吹 勝美

東大和市社会福祉協議会(あんしん東大和)「成年後見講座」に参加して

2017.2.2 弁護士 伊吹 勝美

 昨年12月に東大和市社会福祉協議会(あんしん東大和)で開催された成年後見講座に参加させていただきました。

 この講座は、高齢化社会を迎え、判断能力が低下した方が安心して暮らせるよう、成年後見制度や地域で支え合う仕組みへの関心を深めていただくことを目的に、あんしん東大和で企画、実施されたものです。

 講座は全3回で行われ、第1回は、「成年後見制度の基礎」として、あんしん東大和の権利擁護係の職員の方による寸劇と弁護士による解説。第2回は、「後見人とは」と題した、弁護士による成年後見制度に関する講義、第3回は東大和市主催の「認知症サポーター養成講座」および「地域で支え合う仕組み」として市民後見人、法人後見等に関する説明や社会福祉協議会の職員による地域権利擁護事業等の紹介が行われました。

 私は、この講座の第1回と第2回に参加し、第1回では寸劇の中で「通りがかりの町の弁護士」として、特に高齢者の方が巻き込まれやすい消費者被害の実情や対策などについてお話しました。

 新聞、テレビなどでも報道されていますが、振り込め詐欺や税金などが還付されるからと言って、ATMを操作させ、実際は被害者にお金を振り込ませる還付金詐欺に関する被害は多いままです。最近では、詐欺の手口も多様化、複雑化し、インターネットに関する詐欺や、被害者を騙すために複数の人物が様々な役を演じ、被害者に接触する劇場型詐欺なども増えています。この講座では、実際の業者とのやりとりを寸劇で再現するなどして、消費者被害の実態や悪徳業者への対処法などについてお話しました。業者や被害者を演じる職員の方の熱演もあり、講演に参加された方は、けっして他人事ではなく、自分にも起こりうることだということと、感じていただけたと思います。

 第2回は、講義形式による成年後見制度全般に関する講座で、私が講師を務めました。

 成年後見制度の概要や同制度を利用するための要件、申立の方法などを具体的に説明し、平成27年度の成年後見事件の申立件数が約34000件余、現在の制度の利用者が合計19万人余程度であることなどなど、制度の現状についても紹介しました。また、後見人候補者になることをお考えの方も多数参加されていましたので、後見人の具体的な職務内容や義務なども、私の体験を交えてお話しました。

 そして、講座の後半では、最近利用者が増えている任意後見制度を取り上げ、法定後見制度との違いや実際の利用方法、注意点なども紹介しました。

 参加してくださった皆さんが最後まで熱心にお話を聞いてくださり、鋭い質問も出るなどして、私も勉強になりましたし、楽しかったです。

 今回、私は、東大和市社会福祉協議会が行われた講座に参加させていただきましたが、東大和市以外の社会福祉協議でも、高齢者の方が消費者被害にあわないようにするための講座や成年後見制度に関しての相談等を取り扱っていると思いますので、興味のある方は、是非ご利用いただければと思います。

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