青春18きっぷの旅
1 青春18きっぷとは?
すでにご存じの方が多いかもしれませんが、JRが毎年、春夏冬の各長期休みに合わせて発売するきっぷに「青春18きっぷ」というものがあります。これは18歳までしか使えない…というわけではなく、利用者の年齢は無制限のきっぷです。
JR貨物を除くJR全路線の普通列車が1日乗り降り放題のきっぷです。5回分(5日分)が1枚のきっぷにまとめられていて、5人で一緒に使うことも、一人で5回使うこともできます。5日連続で使用しなくても1日ずつ使うこともできます。
料金は、現在では12,050円。一日あたり2,410円です。
2 青春18きっぷの思い出
18きっぷを使った旅で、「大垣夜行」、「ムーンライトながら」といったワードを懐かしく感じる方は、間違いなく、鉄道好きか、旅好きか、18きっぷユーザーです。現在はなくなってしまいましたが、かつては東京駅を23時10分に出発し、日付変更後に小田原駅へ停車、その後ゆっくりと移動しながら、翌朝5時55分に大垣へ到着します。
学生の頃は、このムーンライトながらを用いて、大垣まで行き、そこから金沢方面へ抜けたり、途中名古屋で降りて木曽の方へ行ったりとしました。
同じくムーンライトシリーズでお世話になったのは、ムーンライト信州(新宿~信濃大町・白馬間)、ムーンライトえちご(新宿~新潟・村上・新井間)です。上越へ抜けたのち、坂町から米坂線で米沢を目指したり、新津から磐越西線で会津若松へ向かったりしました。
これらの夜行快速列車が青春18きっぷの思い出でとても印象に強いものになっています。
3 青春18きっぷお勧めの旅
18きっぷでお勧めのルートを紹介します。18きっぷは夜行列車を使わなくても日帰りでも楽しめます。立川発のルートでお勧めのコースを紹介します。
富士山周遊コース
富士山の周囲をぐるりと回るコースです。以下の時刻は、2023年8月現在のダイヤを基にしています。
立川駅(中央線快速・8時05分発・高尾行き)を出て、八王子駅で横浜戦へ乗り換え(8時20分発・東神奈川行き)、橋本駅で相模線へ乗り換えます(8時39分発・茅ヶ崎行き)。相模線は単線で、かつては砂利運搬用の路線でしたが、現在では旅客路線となっています。短い4両編成で進行方向右手には丹沢山地がよく見えます。
茅ヶ崎へ到着後は、東海道線へ乗り換えます(9時51分発・小田原行き)。4駅ほど進み、国府津駅で降ります。ここで時間に余裕があれば、海が近いので歩いて湘南の海を見てもよいかもしれません。
ここからは、御殿場線へ乗り換えていきます(10時16分発・山北行き)。御殿場線は、かつて丹那トンネルができるまでは東海道線として主要幹線となっていました。現在の御殿場線は単線ですが、当時は複線で、山北駅は蒸気機関車が多数配置されている大きな駅でした。現在はかつての面影を残しつつ、少し寂しいローカルな駅となっています。駅のそばから沿線には、桜がとてもきれいに咲くので春に行くのもいいと思います。
山北駅からは、御殿場線の沼津行き(11時15分発)に乗り、沼津を目指します。沼津へ着いたら、沼津港をバスやタクシーで目指し、お昼を食べましょう。沼津港周辺には、美味しい海鮮のお店がたくさんあります。時間に余裕があれば、沼津港深海水族館を見学するのもいいと思います。
沼津駅へ戻ったら、再び東海道線で富士駅を目指します(13時52分発・島田行き)。富士からは、富士川に沿って甲府盆地を目指す身延線に乗車します(14時17分発・甲府行き)。富士川をさかのぼりながら、富士山を右手に見て、下部温泉を目指しましょう。
下部温泉についたら、温泉街の立ち寄り湯でひとっ風呂浴びて、さっぱりしましょう。さっぱりしたところで、旅を再開です。下部温泉駅に戻り、18時05分の甲府行きに乗りましょう。
甲府駅では駅近くの飲食店で夕食をとりましょう。ほうとう、甲州ビーフ、甲州地どり、甲府駅周辺には美味しいお店がおいしいのでしっかりと腹ごしらえをしましょう。
甲府駅からは中央本線、中央線快速で立川を目指すだけです。20時40分発の大月行きに乗り、大月で21時30分発の東京行きに乗り換え、立川到着は22時29分です。
このルートを正規料金で乗ったら6,004円(ICカード料金)、移動距離336.3kmです。しかし、これが2,410円で途中乗り降り放題なのです。
いかがでしたでしょうか?
ぜひ、機会があったら、青春18きっぷの旅に出かけてみてください。