コラム40:弁護士 杉野 公彦

エンディングノート

2014.12.25 弁護士 杉野 公彦

1.
 巷で流行っている終活、その中でも「エンディングノート」は皆さん興味を持たれていることと思います。
 エンディングノートに明確な定義はないですが、一般的には、「もしもの時のために、自分の人生のエンディング(終末期)について、自分自身の希望を書きためておくノート」のことと言われています。
 ここで要注意ですが、エンディングノートは「遺言書」とは全く違うものです。
 エンディングノートは、遺言書とは違い、何を書いても良いのですが、反面、法的な効果があるわけではないのです。
 ですので、法的な効果があることを希望して、巷で売っているエンディングノートのみを用意し、遺言書の用意を怠ってしまうと、ご遺族で協議がまとまれば問題ありませんが、揉めてしまうと、エンディングノートがあるがゆえに、「争続」が拡大することにもなりかねません。ですので、弁護士としてはエンディングノートよりもまずは遺言書を作成しておくことをお勧めします。

2.
 では、遺言書の他に敢えてエンディングノートを作る理由はなんでしょう?
 弁護士なりに考えてみました。
 おそらくそれは、ご自身が生きてきた道を振り返り、今を見つめ、将来の希望を記載する「人生の棚卸し」のための道具として利用すべきものなのだろうと考えます。
 皆様がエンディングノートの作成に取りかかる中で、人生の整理、心の整理、何を伝えたいのかの整理、(物的に)捨てるもの残すものの整理、もちろん遺言書を書くための前段階としての整理をすることになるでしょう。これをお一人でではなく、ご家族でお話し合いをしながら行うことに意味があるのだろうと思います。

3.
 平成27年から相続税の税制が改正(大きくは遺産に対する基礎控除額の減額)され、「争続」はこれまで以上に頻繁に、どなたでも経験する自体になってしまうのかもしれません。
 そうなる前の遺言書の作成は強くお勧めしますが、同時に、ご家族でこれまで人生を振り返り、将来を考えるエンディングノートを作成してみても、「争続」を防ぐ一つのきっかけになるのかもしれません。

4.
 ひめしゃら法律事務所では、弁護士を派遣してエンディングノートの活用法について講演を実施しました。講演のご依頼もお請けいたしますので、ご利用ください。

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