トラつばに夢中

 「トラつば」とは、言うまでもなくNHK朝の連続テレビ小説「虎に翼」のことです。
 日本初の女性弁護士の一人であり、後に裁判官となる三淵嘉子さんが主人公猪爪寅子のモデルとなっている作品。「同じ業界だし一応見ておくか」くらいの気持ちだったのですが、今はがっつりハマっています。

 冒頭から憲法14条(法の下の平等)が出てきたので「これは思ってたより本格的に法律ものだな」と思ったのですが、戦前の民法における女性の無能力とか尊属殺重罰規定の違憲性とかの、比較的重めなテーマも取り上げていて驚きました。自分が法を学び始めたころに覚えた素朴な感動が蘇ってくる場面もあり、脚本家の方は法律に真摯に向き合って書いてくれたのだろうと思うと嬉しくなります。

 何より、寅子や仲間たちが、多くの女性たちがこれまで社会の中で感じてきたであろうモヤモヤを言語化し、時には怒り、時には挫折し、時には痛快にはねのけ、もがき苦しみながら進んでいく姿には大いに共感できます。寅子は空気を読まないキャラなので「その態度はどうなんだ」とか「そこまでせんでも」と思うこともありますが、それと同時に、忖度して「スンッ」とならない彼女が羨ましくもあります。また、女性だけでなく、戦災孤児や傷痍軍人、親の離婚に直面する子ども、外国出身者、性的マイノリティなど、様々な立場の人が登場し、それぞれの人生についても考えさせられます。今から100年近くも前の時代設定ですが(三淵嘉子さんが学んだ明治大学女子部が設置されたのは1929年)、現代にも通じる問題提起がそこかしこに潜んでいます。
 そして、エンタメとしての質の高さとメッセージ性を両立させているのがこの作品の凄いところ。平等がテーマではありますが説教臭くはならず、時にはコミカルに、時にはシリアスに、速いテンポで次々と新しい事件が起こるので退屈しません。仏頂面で甘党の桂場(裁判官)や、よねと轟の明律大学学友コンビなど、脇役も個性豊かで面白く、群像劇としても楽しいです。

 まだまだいくらでも語れますが、このあたりにしておきます。半年にわたる放送も半分が過ぎました(このコラムは2024年7月11日に書いています)。これまでは女子学生・新人弁護士・駆け出しの裁判官と、いずれも男社会の中の少数者、どちらかというと権力に楯突く側だった寅子ですが、一家の稼ぎ頭・注目を集める女性法曹・キャリアを積んだ裁判官と、権力と責任を持つ場面も増えてくるようです。今後どうなっていくのか、これからも目が離せません。

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