ジェンダーレスな靴下について
今年も猛暑であった。かつては、男性は真夏でもネクタイ・上着着用が常識であり、そのため男が社内でエアコンの温度を下げ、女性が寒い思いをするという光景も見られた。
しかし、40度にもなる昨今の猛暑ではそんなことも言っておられず、また、電力消費も抑えなければならない。かかる事情を背景に、昨今では「オフィスカジュアル」という装いが広まりつつある。例えば、ネクタイを外してTシャツやポロシャツを着用する、革靴に代えてスニーカーを履く、といった具合である。涼しく疲れないし、装いの性差も少ないのではないかと思う。弊所でも、スニーカー姿の所員が多いのである。
この「オフィスカジュアル」に欠かせないアイテムが「丈の短い靴下」である。スニーカーの中にすっぽり入り、まるで素足で靴を履いているように見え、かっこいいし、涼しい。ところがこの靴下、我が家ではある問題がある。我が家の子ら(女子)が父の靴下を履いて行ってしまうのである。
甚だしい時には、まだ一度も履いていない新品をユ●ク●の袋から出して履いて行く。洗って返すようなことはしないから、大体は娘たちの部屋の床や、ベッドの中から発見されるのである。
不思議なのは、こうして見つかった靴下のほとんどが左右の色や柄が違うのである。いい加減に扱っているからすぐに左右が合わなくなってしまうのだ。色違いの靴下を、娘たちはどうやって履いているのだろう、しばらく考えて結論に至った。
「そうか。左右バラバラなまま履いているのか。」
考えてみれば、もともと靴に隠れて靴下は見えないのだから、左右の靴下の色が違っていても問題はないし、靴を脱がなければならない時は、靴下は靴の中に丸めて残しておいて、裸足になればいいのである。
こうして我が家では、靴下の私的所有権は廃止され、たくさんの、左右の合わない靴下が散乱することになったのである。
さて、オフィスカジュアルの流行で、職場内でもTシャツで過ごせるようになったのだが、これが我が家では・・・(以下略)