コラム43:相続人調査

2015.7.1 事務局員 両部 奈緒

 遺産分割や公正証書遺言の作成など、相続関係の事件の多くで、相続人を確定するため戸籍を取り寄せて相続人調査を行っています。戸籍をずっとさかのぼっていくと、戦前の家制度時代の戸籍にたどりつくことが度々あります。戦後の戸籍も筆頭者は圧倒的に男性が多いですが、戦前の家制度時代の戸籍は、基本的には戸主は男性です。選択できず、女性が夫の家に嫁ぐという考え方だったのだ、というのがよくわかります。

 しかし時々、戦前の戸籍や、戦後に改製された戸籍(戦前にあった戸籍を民法改正などで作り直したもの)で、女性が戸主や筆頭者のことがあります。離婚したとか、婿養子をとった、改製前に夫が亡くなっていたため、などの理由があります。

 かつて、戦後のもので筆頭者が女性の戸籍を、必要があってさかのぼって取り寄せしたことがあります。彼女が筆頭者なのはなぜだろうと思っていたら、離婚でも婿養子でもなく、終戦前に夫が亡くなっていたからでした。しかも、戦地で戦死との記載がありました。相続人調査だったので、彼女の兄弟の戸籍も取り寄せましたが、男性の人はほとんど、そして女性の人の配偶者のほとんどが戦争に行って亡くなっていました。70年前の戦争で、本当に多くの人が犠牲になっていたのだと、改めて感じました。

 相続人調査では、戦後の戸籍もたくさん見ます。しかし、戦後の戸籍で、戦死の記載は見たことがありません。今の憲法のおかげだと思います。

 今の国会で審議されている戦争法案が通ってしまうと、また戦死の記載が出てくるようになるかもしれません。かつて「フィリピン沖で戦死」などと記載されたように「イラク上空で戦死」などと書かれるのでしょうか。
 そんな時代は来てほしくはないと思います。

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